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[生活科学研究科] 博士号取得者の紹介

■06 趙 (チョウ ミンジョン)
・建築系・住居系分野における仕事と生活からみた男女共同参画に関する研究
 A Study on the Gender Equality in the field of Architecture and Housing from the Viewpoint of the Work and Life
学位名: 博 士( 学 術 ) 論文審査委員: 主査 教授 岡田 明
副査 教授 多治見 左近
副査 教授 藤田 忍
副査 教授 畠中 宗一
副査 准教授 小伊藤 亜希子
取得年月日: 平成21年 12月 28日

 
・論文審査の結果の要旨
 本研究の目的は、日本の建築系・住居系分野における男女共同参画の実態を、専門職女性個々人の仕事と生活に関わる生き方(ワークライフスタイル)の選択に焦点をあてて明らかにするとともに、性別役割分業を前提とする社会における生活体験の男女差を背景としながら、多様性の観点から、男女共同参画の意義および効果を解明することである。調査対象としては、日本及び、長時間労働市場への女性参画等、類似点を持つ韓国を一部取り上げ比較対象とした。

 当分野の仕事は、生活空間を創造することであり、生活そのものへの総合的な理解が求められる。そのため、専門家自身が生活者として得た様々な生活体験と多様な価値観が直接仕事に生かされやすい分野である。本研究は、空間創造への女性参画が、生活者の視点を空間に反映させ、また男女双方のワーク・ライフ・バランスのあり方に大きな影響を及ぼすであろうことに注目している。

 本研究の成果は以下のように整理される。
  1. 建築系・住居系学科歴代女子卒業生の追跡調査を通じて、複雑な産業構造を持ち解明が困難であった当分野の女性参画の実態について、結婚・出産などの家庭生活と仕事に関わる個々人の人生選択に焦点を当ててその課題を明らかにできた。その際、ワークライフスタイル型((1)「育児両立型」、(2)「DINKS 型」、(3)「独身仕事継続型」、(4)「専業主婦型」)を設定し、それぞれの型の仕事と生活歴の特徴、キャリア継続を阻害する要因を明らかにした。

  2. 女性参画の推進だけでなく、それによって生活空間創造にどのような利益がもたらされるかを、当分野の職能に照らして明らかにした。設計業務を中心とする男女を対象としたアンケート調査を通じて、多くの建築設計技術者は自らの生活体験と重ねながら生活者や利用者の住要求を把握し、専門家としての職能を自覚しながらそれを空間計画・設計に反映していることを示した。その際、男女の生活体験には性差が存在すること、それが多様性として仕事に反映され女性の視点として評価を得ていることが検証された。このことは、仕事と生活の狭間で苦悩している女性専門家に展望を与える役割も果たした。

  3. 建築系学科に加えて住居系学科が建築・住居専門家を輩出する教育システムは世界的にも他にあまり例がないが、その下で、我が国の住居系学科における生活からのアプローチを重視した建築・住居教育は、早くから女子学生を中心に多くの生活視点を持つ専門家を育成してきたことを検証できた。
 以上により、審査委員会は本論文を博士(学術)の学位を授与するに値するものと認定した。


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